
【建物で旅する愛知】知多市 『KonoMachi Cafe』
知多半島には、海や山の自然だけでなく、その土地ならではの歴史や文化を感じられる場所がたくさんあります。
今回ご紹介するのは、愛知県知多市の佐布里地区にある「佐布里緑と花のふれあい公園」と、園内にある「KonoMachi Cafe(コノマチ カフェ)」です。
佐布里といえば、梅の名所として知られている場所。季節になるとたくさんの梅が咲き、公園を訪れる人を楽しませてくれます。
今回は、そんな公園の中にあるKonoMachi Cafeのリニューアルに、オワリヤが内装工事として携わらせていただきました。
地域の魅力を感じられる場所を、どのような考えでつくったのか。今回は店舗設計・店舗改装の視点から、その工夫や空間づくりについてご紹介します。
佐布里緑と花のふれあい公園の周辺には、何種類の梅の木が植えられているでしょうか?
答えは記事の最後でご紹介します。
知多市・佐布里といえば「梅」のまち
知多市の佐布里地区は、昔から梅の栽培が盛んな地域です。
明治時代後期には、一本の木からたくさんの実を収穫でき、現金収入にもつながることから「佐布里梅」が競うように植えられたそうです。
そうして少しずつ梅の木が増え、現在の梅林へとつながっていきました。
平成13年には「佐布里緑と花のふれあい公園」が開園。佐布里池と公園の周辺には、愛知県内でも有数の約6,000本の梅が広がっています。
毎年2月中旬から3月中旬頃には「佐布里池梅まつり」も開催され、知多市を代表する季節の風景として多くの人に親しまれています。
梅の季節はもちろんですが、この公園の魅力はそれだけではありません。
- お子様が遊べる広場
- 鑑賞温室
- バーベキューハウス
- 地元のお土産を扱う売店
- 展示ホールや情報展示室
- クラフトなどを楽しめる体験工房
家族で遊んだり、自然の中を散歩したり、講座や体験を楽しんだり。梅の開花時期以外にも、ゆっくりと過ごせる場所になっています。
リニューアルした「KonoMachi Cafe」
そんな佐布里緑と花のふれあい公園の中にあるKonoMachi Cafeが、リニューアルオープンしました。
知多市と知多メディアスネットワーク株式会社のネーミングライツ契約締結に伴い、店内も新しく生まれ変わっています。
今回、オワリヤも改装工事に携わらせていただきました。
もともとの建物が持っていた重厚感のある雰囲気を大切にしながら、新しくなるモーニングやランチにも似合う空間へ。
そして何より、公園を訪れた幅広い世代の方が、気軽に立ち寄ってゆっくり過ごせる場所を目指して内装を計画しました。
① 和の雰囲気を残しながら「和モダン」へ
今回の店舗改装で大切にしたのは、もともとの建物が持っている雰囲気を無理に変えてしまわないことでした。
しっかりとした造りや重厚感を残しながら、現在のカフェメニューや公園の雰囲気にも馴染むよう、内装を整えていきました。
昔ながらの「和」の落ち着きを感じながらも、少し現代的で入りやすい。
そんな和モダンなカフェ空間を目指しています。
② 店舗のテーマは「梅」
店内に入ってまず目に入るのが、緑と花をイメージした色使いです。
今回の店舗改装では、佐布里緑と花のふれあい公園という場所そのものの魅力を、店内にも感じてもらえるようにしました。
特にポイントになっているのが、カウンターまわりとソファの配色です。
公園の緑や梅の花を思わせる色を取り入れることで、建物の中にいても外の自然とつながっているような雰囲気をつくっています。

また、店内が広いことから、空間の中でしっかりと存在感を出せる照明を選び、全体の雰囲気を引き締めています。
見た目だけではなく、使いやすさも店舗設計では大切なポイントです。
お会計を済ませた後のセルフサービスの動線がスムーズになるよう、カウンターの配置にも工夫を加えています。
③ 公園の景色を楽しめる「居心地の良い場所」へ
今回の改装では、座席のつくりにも変化があります。
これまでの椅子とテーブル席に加えて、ゆっくりくつろげるソファ席を設けました。
そして、もうひとつ大切にしたのが窓から見える公園の景色です。
せっかくきれいに整備された広い公園が目の前にあるのだから、その景色を眺めながら食事やコーヒーを楽しんでもらいたい。
そんな想いから、窓側には外の景色を眺められるカウンター席を設けました。
実際に私がモーニングで訪れた日はとても天気が良く、広場では小学生くらいのお子様たちが輪投げやボールを使ったゲームを楽しんでいました。
カウンター席から元気に遊ぶ子どもたちを眺めながら、コーヒーとパンをいただく時間は、なんとも心地よいひとときでした。
車いすでも利用しやすい個室スペース
店内には個室スペースもあります。
先日訪れた際には、車いすで来店されたご高齢のお客様が、ゆったりとお茶を楽しんでいらっしゃいました。
格子で空間を仕切ることで、完全に閉じてしまうのではなく、ほどよく視線を遮りながら落ち着いて過ごせる場所になっています。
小さなお子様連れのご家族からご高齢の方まで、それぞれの過ごし方に合わせて利用できることも、今回の空間づくりで大切にしたところです。
店内だけじゃない。公園全体で楽しめるカフェ
KonoMachi Cafeはフードコート形式になっているため、食事を購入した後は店内の席だけでなく、さまざまな場所で楽しむことができます。
- 店内のテーブル席やソファ席
- 軒下のテラス席
- 公園内の芝生
- 公園のベンチ
天気の良い日は、外の空気を感じながら芝生でピクニック気分を楽しむのも気持ちよさそうです。
先日訪れた際には、公園内でご家族やお仲間とBBQを楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいました。
梅の季節はもちろん、梅以外の花もきれいに手入れされているので、のんびり散歩をするだけでも気持ちの良い場所です。
季節の花を眺めたり、講座や体験に参加したり、子どもと遊んだり。
その日の気分に合わせて、いろいろな楽しみ方ができるのが佐布里緑と花のふれあい公園の魅力だと感じました。
KonoMachi Cafeは「食事をする場所」だけではなく、公園で過ごす時間そのものを楽しむための場所。
そんな場所になるように、内装や席の配置、動線にもさまざまな工夫を取り入れています。
オワリヤが考える「店舗づくり」
今回のKonoMachi Cafeの改装を通して改めて感じたのは、店舗の内装は「きれいに仕上げる」だけではないということです。
その場所にどんな人が訪れるのか。
どんな時間を過ごしてほしいのか。
周辺の景観や地域の魅力を、どうすれば店内にも感じてもらえるのか。
そうしたことを一つひとつ考えながら、空間をつくっていきます。
オワリヤは、これまで知多半島を中心に店舗設計・店舗改装・内装工事に携わってきました。
大正15年創業の家具店をルーツに持つからこそ、家具や素材、空間全体のバランスまで考えたものづくりを大切にしています。
現在は店舗だけでなく、住宅の設計・施工にも取り組んでいます。
半田市をはじめ、知多市、常滑市、阿久比町、武豊町、東浦町など、知多半島で家づくりを考えている方にとって、その土地での暮らし方まで一緒に考えられる存在でありたいと思っています。
佐布里緑と花のふれあい公園・KonoMachi Cafe
KonoMachi Cafeのお店の詳細や営業情報については、佐布里緑と花のふれあい公園の公式サイトをご確認ください。
知多市を訪れた際には、ぜひ公園とあわせて立ち寄ってみてくださいね。
佐布里梅をはじめ、青軸や白加賀など25種類の梅が植樹されています。
梅の季節に訪れると、種類によって少しずつ異なる花の表情を楽しめそうですね。
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