
旅する愛知 常滑市『とこなめ陶の森 陶芸研究所』
常滑市『とこなめ陶の森 陶芸研究所』
時を超えて現存する、知多半島のモダン建築を旅する
時を超えて現存する、知多半島のモダン建築を旅する
常滑に、有名建築家が設計したモダン建築があるのをご存知でしょうか?
常滑焼や「やきもの散歩道」、セントレアにINAXライブミュージアム……。そんなお馴染みのスポットとはまた異なる魅力を放つ、常滑市の産業を後ろ支えしてきたモダン建築を訪れました。
常滑焼や「やきもの散歩道」、セントレアにINAXライブミュージアム……。そんなお馴染みのスポットとはまた異なる魅力を放つ、常滑市の産業を後ろ支えしてきたモダン建築を訪れました。


とこなめ陶の森 陶芸研究所
道に迷いながらもたどり着いた「とこなめ陶の森」は、資料館、陶芸研究所、研修工房の三施設からなる常滑市の施設です。今回ご紹介する「陶芸研究所」は、細い道を抜けた静かな森の中に佇んでいます。この不便な立地こそが、近代建築としてありのままの姿を残すことができた理由でもあります。
創建に関わった二人の人物
この研究所の創建には、二人の重要人物が深く関わっています。一人は伊奈製陶(現在のLIXIL)の創業者であり、初代常滑市長の伊奈長三郎氏。常滑焼の保存と発展を願い多大な寄付を行いました。
そして設計を手掛けたのが、モダン建築界を代表する建築家・堀口捨己(ほりぐち すてみ)氏です。千利休の研究者でもあった彼は、日本の伝統美とモダニズムを融合させた独自の建築芸術を確立しました。現存する堀口建築は非常に珍しく、建築マニアの間でも垂涎の場所となっています。
そして設計を手掛けたのが、モダン建築界を代表する建築家・堀口捨己(ほりぐち すてみ)氏です。千利休の研究者でもあった彼は、日本の伝統美とモダニズムを融合させた独自の建築芸術を確立しました。現存する堀口建築は非常に珍しく、建築マニアの間でも垂涎の場所となっています。


外観:細部までこだわり抜かれた意匠
本館と正門は国の登録有形文化財に登録されています。正門は一見普通のブロック塀に見えますが、鉄板に「常滑陶芸研究所」の文字が打ち抜かれた独創的な装飾が施されています。
本館の外観は左右非対称(非相称)の造り。屋根の上に見える「ツノ」のような部分はトップライトで、招き猫の耳のようにも見えて愛らしい印象です。
本館の外観は左右非対称(非相称)の造り。屋根の上に見える「ツノ」のような部分はトップライトで、招き猫の耳のようにも見えて愛らしい印象です。
特筆すべきは外観のタイルです。よく見ると、4色の薄紫色をグラデーション状に配した細かいモザイクタイルが、壁から柱、スロープの隅々に至るまで全面に貼り付けられています。現代では資金や手間の面で実現が難しい、非常に贅沢な装飾です。
玄関は半六角で、中央の扉が紫色のガラスブロックの壁に囲まれています。外壁といい、玄関といい、個人的に焼き物の研究所と聞いて紫はあまり思い浮かばないです。きっと設計者の色彩のこだわりがあることでしょう。
内部:建築家によるトータルデザインの世界
玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが、浮遊感のある吊り階段です。当初は金色だったというこの階段は、現代アートのような美しさを放っています。
一階には、波打つガラス天井から自然光が差し込む展示室や、赤とダークウッドで統一された応接室があります。特に応接室に置かれた机やスツールは当時のオリジナル。家具や照明までも建築家がトータルで手掛ける「総合芸術」としての家づくりの姿勢は、私たちが目指す姿とも重なります。
二階:今も現役で使われる交流の場
二階の会議室は現在も一般開放されており、床の緑色と周囲の木々の緑が調和した心地よい空間です。ここにも茶室が設けられ、今でも茶会が催されています。ベランダからは、煙突が伸びる常滑の街並みの向こうに伊勢湾、そして中部国際空港までを見渡すパノラマの絶景が広がります。

「当時のまま」が今も残る理由
完成以来約60年間、大きな改修を行わず当時の色彩や使用用途を守り続けてきました。事務室は実際に今も事務室として使われ、当時のエアコンがそのまま現役で動いている場所もあります。この「変わらないこ
と」の価値が、この建物を特別なものにしています。



不動産のオワリヤからのメッセージ
日本文化を大切にしながら、新しい技術も積極的に取り入れた堀口氏の建築。老朽化への対応など課題もありますが、この素晴らしい建築が常滑にあることを多くの方に知っていただきたいと願い、この記事を綴りました。
美しいタイルや空間、そして屋上からの絶景。家族での学びや休日の癒しに、ぜひ実際に訪れてその魅力を体感してみてください。
日本文化を大切にしながら、新しい技術も積極的に取り入れた堀口氏の建築。老朽化への対応など課題もありますが、この素晴らしい建築が常滑にあることを多くの方に知っていただきたいと願い、この記事を綴りました。
美しいタイルや空間、そして屋上からの絶景。家族での学びや休日の癒しに、ぜひ実際に訪れてその魅力を体感してみてください。
■ 施設情報:とこなめ陶の森
- 住所:愛知県常滑市瀬木町4丁目203番地
- 開館時間:9:00〜17:00
- 休館日:月曜日(祝日の場合翌日)・年末年始
- 入場料:無料
- HP:https://www.tokoname-tounomori.jp/
執筆者:お客様相談室 丹羽








